SAT-049 CARAROCK FESTIVAL 2005 -2022 REISSUE- / 石田ショーキチ

キャラメルボックスの20周年記念で開催されたCARAROCK FESTIVAL 2005。Scudelia electroを解散させたばかりで自分のバンドを持たない私に、ネビュラプロジェクトの加藤社長から出演依頼がありました。Caramel backsというものすごいメンツのバックバンドをつけてくださるというではないか。これはとても楽しみである。やるしかない。二つ返事で了承して二度ほどのリハーサルを経て演奏したステージは、とても重厚でスピード感とスリルの溢れる刺激的なライブになりました。この一夜限りの幻のステージを収録したライブCDは2009年にリリースされましたが、本作品はこれをリマスタリングし当時カットされていた2曲も復活させての完全版としてのリリースです。弊社オンラインショップのみでの発売です。

CD版:https://satrecords.thebase.in/items/69116250
ダウンロード版(48kHz WAVファイル):https://satrecords.thebase.in/items/69113972

石田ショーキチ (Vocal/Electric & Acoustic Guitar)
CaramelBacks:
清水一雄 (Electric & Acoustic Guitar/Chorus)
難波弘之 (Keyboards)
白船睦洋 (Bass)
小森啓資 (Drums)

すごいメンツです。清水一雄さんはブライアンメイモデルのギター使いとしては日本のフラッグシッパー。難波弘之先生といえば日本のプログレッシブロックの父であり、キーボードの貴公子である。大船に乗った気になるなという方が無理な話である。そして実際、すごい演奏になりました。今聞くと自分がとても自由に楽に(今と比べると随分荒いですが)歌っているように聞こえます。楽しんでますね。

1, さよならノーチラス号(2022 ニューリマスター)
のっけから小森さんの重いのに速いビートが疾走するノーチラス号。こんなヘビーグルーヴの曲になるのかー!間奏の清水さんの泣きのギターソロ、後奏では難波さんの華麗なアドリブプレイが炸裂。一曲目から飛ばしまくる皆さん。スリル満点。

2, Day after tomorrow(2022 ニューリマスター)
小森さんは16分の裏拍のバスドラムをドスドス決めてきてこの曲のノリを的確に表現して下さる。サビのバックで鳴る難波さんのムーグシンセの旋律もこの曲のオリジナルの雰囲気をより強いものにして下さる。実に気持ちがいい。

3, レインボー(2022 ニューリマスター)
白船さんのファズがかったベースの入り方が最高の幕開けを演出して下さった後に難波さんの水平線の向こうまで広がっていきそうなエレクトリックピアノのコードで昇天する。間奏と後奏のシンセソロはまさにシンセサイザーの貴公子。

4, MISS(初収録・2022ミックス、マスタリング)
この作品が最初にCD化された時になぜか外され幻のトラックとなっていたこの曲を蘇らせました。右側から聞こえるギターは清水さん。私には出せないサウンドのコードワークが彩りを放つ。ギターソロでもとても粘っこい泣きのフレーズが流石。

5, Rule me(初収録・2022ミックス、マスタリング)
この曲も2009年版ではカットされていた幻のトラック。あまりライブで演奏したことがない曲でもあるので非常にレアな収録。

6, 水虎の涙(2022 ニューリマスター)
今でこそ時々自分でも歌うことがあるが元々五島良子さんに歌ってもらうつもりで作ったこの曲、2005年当時では自分で歌ったことがなかったので、当時としてはこれもレアなテイクといえるかも。

7, ミラージュ(2022 ニューリマスター)
このバンドの凄さが一番出ている曲ではないでしょうか。小森さんの重いのに速いビート、白船さんの踊るようにうねるベース。難波さんの変幻自在なシンセサイザーワーク。サビのボイスパッド(アー、ウーというコーラスの声に似たシンセサウンド)はナイスアイデアですし後奏のアドリブはまた華麗すぎるし。

8, 太陽道路(2022 ニューリマスター)
白船さんのベースはこの曲が一番好きかもしれません。しなやかに踊るようにうねる。清水さんの「彩り」という言葉がぴったりのAメロでのコードワーク。私にはこういう音は出せないのです。そして泣きまくるギターソロ。流石。

9, 君のいた夏へ(2022 ニューリマスター)
聴きどころは何と言っても後奏のギターバトルでしょう。右から聴こえる清水さんのソロ、左から聞こえる私のソロ。まるでボクシングの打ち合いのようなアドリブバトル。スリリングです。舞台上の全員が爆音で弾き倒して大暴れして舞台を去る姿が眼に浮かぶ音像です。痛快でした。昨日のことのように思い出します。

最後に2009年版についていたライナーノーツの画像を載せておきます。貴重な資料です。